バイヤーの皆さま、こんにちは!
グッズ編集部はこの度、「バイヤーさんのことをもっと知りたい!」という想いから、グッズで見つけた商品を仕入れ、販売されているバイヤーさんへのインタビュー企画を始めました。
第一弾は、表参道のエシカル・オーガニックセレクトショップ【ORblueNa(オルブルーナ)】代表の早坂亜希子さん。
コロナ禍の2021年、あえて表参道という土地に実店舗を構えた明確な理由、お客様との関係性、扱うアイテムへのこだわり、売り場づくりや仕入れの工夫などのお話をたっぷりうかがいました。
ORblueNaで取り扱われている商品も一部ご紹介します。
早坂さんがセレクトした、からだとこころ、地球に嬉しいアイテムをぜひご覧ください。
《店舗情報》
ORblueNa(オルブルーナ)
東京都渋谷区神宮前4丁目26−28 ファンファンビル 1F
営業時間:12:00~20:00(火・木+不定休)
店名はOrganic ✖️ Blue ✖️ Natural を組み合わせた造語。
海が好きで”いつも自然体でごきげんな選択をしたい”という早坂さんの想いが込められています。
お店のテーマは「ごきげん」。サーフボードが置かれたフレンドリーな雰囲気の店内には、オーガニックでサステナブルな日用品やコスメ、インナーケアアイテムなど『こころとからだをご機嫌にすることで、じぶんや地球をご機嫌』をコンセプトに早坂さんが選んだ商品がディスプレイされています。
店舗以外では、表参道・原宿エリアを綺麗にして気持ちよくすごすための「クリーン活動」 を毎月1〜2回開催。他にも様々なイベントを企画し、顧客や近隣の店舗を巻き込みながら、表参道に良い波を起こしています。
「自分で自分を大事にしたい」と思っている人のきっかけになる場所をつくりたい
私は昔サーフィンをやっていたこともあり、ハワイや西海岸の雰囲気が好きで、自然の中で遊ぶ彼らの、自然を大事にする想いに共感するところがありました。
エシカルやオーガニックの考え方には「自分で自分のご機嫌を取る」という考え方がつまっています。自分のからだやメンタルが健康で自由であることで、周りに優しくできて地球にも良いことに繋がります。「自分で自分を大事にしたい」と思っている人のきっかけになるアイテムを揃え、想いを発信するイベントを手がけるためにあえてアナログで勝負することにしました。
表参道の街全体をひとつのチームにすることが最終目標
表参道を選んだ理由は、旗艦店が多くここが”新しいものを常に発信する土地”でありながら、原宿の文化でもある”古着”などサステナブルな考え方が根付いていること。さらに、これだけ毎日大勢の人が集まる場所はもはやパワースポットで、「ここしかない!」という想いで決めました。
「こんなことしたい、あんなことしたい」と、自分のビジョンややりたいことを言い続けていくのが大事。そうすると同じテンションの人が乗ってきてくれてまた新たなコラボが生まれます。ひとりでできることには限界があるので、店舗を中心にファンとコミュニティをつくり、大きなかたまり、ゆくゆくは街全体をひとつのチームにしたいと思っています。
Amazonではなく店舗で商品を買ってもらえる道は人の繋がりしかない
お店を持つのなら、人脈などの下地づくりは絶対に必要だと思います。実は、お店をオープンするずっと前から10年以上かけて、「自分を好きになる」ことを軸にイベントやワークショップを行い、集客を行っていました。今でいうマッチングのようなイベントや異業種交流会なども開催して様々な人の輪を広げてきました。だからこそ、コロナ禍であってもお店をオープンすることができ、来てくれるお客様がいました。
店舗でも、様々なイベントを企画しています。店内の壁にアートを描いてもらう時は「ライブペインティング」にしてお客様に見てもらい、すごく盛り上がりました。
何でもネットで買える時代に、誰におすすめされたかはとても大事。単価の高いものをお店で買ってもらえるのは、人の繋がりがあってこそだと感じています。
自分が使ってみて良いと思うものをセレクトし、ブランドの世界観も伝える
グッズさんを使い始めたきっかけは、出店されているブランドや商品のコンセプトに共感するものが多く、仕入れたいと思っているものと方向性が一致したからです。
まずは自分で”人体実験”をして、いいと思ったものだけを仕入れています。昔から、自分がいいと思ったものを人に薦めるのが好きで、他にはないブランドを発掘するのも好きです。
お客様と会話しながらテクスチャーや香りを試せるのは実店舗だけなので、できるだけテスターを用意しています。
オープン当初はアイテムごとにディスプレイしていましたが、目当てのものが見つけやすい反面、ブランドの世界観が伝わりにくかったので、ブランドごとの並びに変えました。
メーカーさんの中には、取引きするかどうかは「店舗を見てから決める」というような、厳しいところもありますが、ORblueNaのラインナップを見て「ここならOK」と言ってくださることもあり、良い商品を扱わせてもらうおかげでまた別の良い商品を置くことができています。
グッズを使うことでリソースに余裕を持たせ、多彩なラインナップで他店との差別化
どこも同じだと思いますが、お客様は十人十色で一人ひとり求めているものが違います。
説明を全部聞きたい人、一人でじっくり眺めたい人、ここにしかないものを探している人、百貨店にもあることで安心できる人。なので、接客も商品も、幅広く提示するようにしています。
グッズさんには良い商品がたくさんあり、仕入れが簡単なので空いたリソースで他のことができるのは大きなメリットです。他にも、直接取引きしているメーカーさんなど、様々なブランドを取り揃えることでお店の独自性、”ここにしかない”を高めるようにしています。
物が溢れる世の中ですが、必要な物、使う物の数は変わりません。その一つをうちでどう選んでもらうかということを常に考えています。
気に入った商品を見つける、使う楽しさを伝えたい
棚づくりは「ここに来るといつも何か面白いものがある」と思ってもらえるように工夫しています。
入口の平台には、季節性の需要が高いものをアイテムのカテゴリーを混ぜてディスプレイし、大きな壁一面にはスキンケアブランド、反対側の壁には、食品やサプリの棚、お香やキャンドルなどの雑貨の棚、日用品はワゴンに収まっています。
食品は価格的にも気軽に購入されることが多いので、定番のものを置きながら適度に入れ替えるように意識しています。
コロナ禍でお家時間の過ごし方が変わり、日用品や香りのアイテムにちょっといい物を選ぶ人が増えましたが、オーガニックを極めると、何も使わない、買わないという生活が正解のようにもなります。それがいい人もいれば、それじゃ楽しくないと感じる人もいる。ORblueNaでは、いい商品を買うこと、使うことの楽しさをを伝えたい。気に入ったものを見つけて買うことを楽しんでもらいたいと思っています。
間口を広げ、ニーズをとらえたサービスと売り場づくり
お店は大通りから少し奥まったところにあるので、ふらっと入って来られる方は全体の3割程度です。もっと気軽に入ってもらえるように、近々、商品の使用シーンなどが伝わる看板を設置する予定です。
基本的にセールはしませんが、期間限定で買い物された方にノベルティのようなものを差し上げたり、クリスマスなどのギフトシーズンはラッピングを無料で提供したりしています。
最近は、男性のお客様も増えてきたので、メンズのスキンケアアイテムをもっと増やしていきたいですね。グッズさんには、そのあたりをぜひお願いしたいです。