こんにちは、通グッズ編集部 Saeです!
ライブハウスや小劇場が集まり、アートや音楽、ファッションなど、多様なカルチャーの発信地として名高い、東京・下北沢。そんな下北沢に今年4月、サステナブルな複合施設「みんな商店」がオープンしました!
2フロアの店内では量り売りで無農薬の野菜が買え、発酵フルーツのパフェが食べられ、さらに、駄菓子屋さんがあって、37のお店が連なる商店街も?おまけに落語会も開催されちゃう?
想像するだけでわくわくしてくる、そんなお店に今回は訪問してきました。
ブランドプロデューサーの橋由香利さん(左)と中川原圭子さん。
目指したのは”体験”できる駄菓子屋さん
「お店づくりを始めた時に、まず、『駄菓子屋さんみたいなお店にしたい』という社長の強い想いがあったんです。」
そう話してくれたのは、みんな商店のプロデューサーを務める橋さん。
これまでも大小様々な企業やブランド、飲食店などのプロデュースを行い、MDやバイヤーとしても活躍して来られました。
そんな橋さんが目指したのは、昔はどこにでもあった駄菓子屋さんのわくわくする体験、人と人が交わる場所としての仕掛けをお店全体に行き渡らせること。
「駄菓子屋さんって、色んな人にとって思い入れがある場所かなと思っていて。ただ、お菓子を買う場所じゃなくて、例えば500円で何個買えるだろうってお菓子を選ぶ楽しみがあったり、友達とベーゴマで遊んだり、お店のおばちゃんと話したり、人によって様々だと思います。お菓子を買うだけなら、今は、コンビニやスーパー、100均でも買える時代。だから、そうではない『わくわくする駄菓子屋』さんにしたいなと思いました。」
下北沢住民がふらりと立ち寄りたくなるキャッチーな1階
現在、NEO駄菓子屋は2階にあり、1階は入口に野菜や果物の量り売りコーナー、その奥は発酵フルーツパフェやソフトクリームなどを販売するテイクアウト専門店となっています。
「駄菓子屋さんを2階でやるとなって、じゃあ1階をどうしようかと考えた時に、お菓子を販売するだけでなく、お客様に来てもらうフックとしてエシカルな購買体験を提供したいなと思いました。」
「当社は”みんな電力”という再生可能エネルギーを中心として電力小売りからスタートしました。つくり手の顔が見えることが社会課題の解決に繋がるという考えのもと、様々なサービスを提供しています。現在は、土壌再生や脱炭素など、ライフスタイル全般に関わるプラットフォームとして成長した中で、自分たちも直接ユーザーさんと関わりたい、地元を大事にしながら地域の人と関わりたいという想いもありました。」
1階では青果の他に、グラノーラやコーヒー豆を販売、給水スポットとしても登録しています。
「1階は近所の人たちに認知してもらえたら嬉しいですね。一人暮らしの人がその日食べる分だけとか、コーヒー豆をいつもここで買うというように使ってもらって、リピーターさんが増えるといいなと思っています。」
食品ロスを出さない、看板メニューの「発酵フルーツパフェ」
カフェの看板メニューは、すでにSNSなどで話題になっている「発酵フルーツパフェ」。京都のオーガニックスーパー「斗々屋」のプロデュースで、季節ごとの発酵フルーツとチアシードジュレに、ソイホイップ、グラノーラなどが贅沢に重ねられています。
「斗々屋さんはゼロ・ウェイストを掲げて、量り売りをメインにビジネスをされているんですが、そこの発酵フルーツを使ったパフェがとてもいいなと思って。これを下北沢の人や私たちのサービスと掛け合わせたら面白いんじゃないかなと思いました。」
「量り売りで扱う果物は1つからでも買えるようになっています。こだわりの農家さん・栽培方法、そして規格外のフルーツを積極的に仕入れています。とはいえ、賞味期限がきてしまうので、その前に発酵させているのが一番のポイントですね。」
「悩んだのがソフトクリームです。岩手のなかほら牧場という、みんな電力を使ってくれている酪農場のソフトクリームを提供しているんですが、添加物が一切入っていなくて、扱っているのは都内で2店舗だけなんです。
ただ、機械の洗浄のために一週間に一度、セットしたソフトクリームを取り出す必要があって、一度取り出すともう戻せない。残っているソフトクリームを捨てなくてはいけないんですね。
恐らく、ほとんどのソフトクリーム屋さんはそれを捨てていると思うんですけど、私たちはそれを捨てずにどうにかしたくて、斗々屋さんにも一緒に考えてもらってワッフルの生地にし、ソフトクリームのコーンの中に入れています。」
ピクルスやジャムなども瓶で販売し、すべてリユースが可能。お店に返却することもできます。取材中にも、ちょうどお客様が返しにいらっしゃいました。
「瓶を持ってきてくださったら100円キャッシュバックするという仕組みにしています。また、お店のショッパーを新しく作るのではなく、お客様から回収した紙袋を無料で提供しています。そうやって、色々なものが循環する場所にしていきたいですね。」
思わず誰かにシェアしたくなるものだけが並ぶフロア
エレベーターで2階に上がってまず目に入るのが、昔ながらの駄菓子屋の入口を模したフォトスポットです。壁にはステッカーや訪れたアーティストのサイン、「駄菓子」と書いたアルミの看板には実は社長が写っており、一瞬で『駄菓子屋さんに来た』と感じられる仕掛けの中に遊び心がつまっています。
「このスペースは1階と2階を繋ぐ場所になるように考えました。色んな人の出会いの場、体験の場になることを意識して、撮影したくなるスポットにしました。オープンしてからは、出店者の皆さんにステッカーを貼ってもらったり、みんなでこの空間を作っていけたらと思っています。」
ハイブリッドに人と繋がる「NEO駄菓子屋」
「NEO駄菓子屋では、選ぶ楽しさをまず第一に意識しました。一つから買える梅干しだったり、昔懐かしい麩菓子やラムネ、当たりの出るアイスキャンディー。他にも、その地域の人にはお馴染みのお菓子や特産品を使ったもので、『これ買ったんだけど知ってる?』って、誰かに言いたくなるようなものを集めています。」
「ここでの買い物が、からだにちょっと優しいとか、環境にちょっといいとか、『買い物しただけでいいことしてる』って自然とサステナビリティに繋がっています。」
商品一つひとつの背景やストーリー、アナログな人と人の関わりを大切にしながら、アプリでのポイント制度など現代のITの力も活用している点も、みんな商店の特徴の一つです。
「ただ販売するのではなく、商品に興味がありそうな人がいたらきちんと接客して、商品のストーリーを伝えるようにしています。一方で、一人でじっくり商品を選びたいという人もいるので、プライスカードを工夫しています。
カードには、再生可能エネルギーの提供者やユーザーであるか、弊社のメディア『TADORi』に掲載があるかが一目で分かるようになっていて、TADORiにはより詳しい情報をのせています。」
「2階にはスマホのチャージスポットもあって、今日も全部貸し出し中です(笑)
そうやって、ここに来るきっかけを一つでも増やせたらと思っています。」
知らなかった選択肢を教えてくれる「37棚商店街」
壁のボックスの一つひとつを商店に見立てたユニークな商店街には、下北沢っぽいクリエイターやデザイナーのもの、サステナブルなプロダクトを作る企業など、様々なブランドが出店しています。出店交渉に奔走された中川原さんにもお話を伺いました。
「37棚商店街は埼玉のコミュニティ拠点・ひとつ屋根の下さんの”100棚商店”をモデルにしています。スタッフが自分のお店のように棚を紹介してくれる、人の交流が生まれる場所を私たちもお届けできるように、“みんな”でつくる=37棚の商店街にしました。」
「私は元々エシカルやサステナブルな商品を暮らしの中で身近に手に取っていただく”きっかけ”づくりをお仕事にしています。エシカルなオンラインサイトのディレクターを長年つとめ、結局、人とのやり取りが生まれる時が満足した購買体験に繋がるのではないかと感じていました。だから、ただモノを売る・買う以上のコミュニケーションを生むような工夫を、ひとつ屋根の下さんにアドバイスをもらいながら作りました。」
「どれだけオンラインでお買い物をするようになっても、自分の好きで手に取るお買い物ってずっと大切にされると思うんです。だから、まずは見た目で自分の好きなものを実際手に取っていただける場所にしています。
初めて見た時にパッとみて可愛いとか、わくわくする気持ちでお買い物をしてもらった先に、ソーシャルグッドなブランドなんだ、再生可能エネルギーの作り手やユーザーさんなんだというのが『実は』で分かるほうがいいなと思っています。」
少し広めのスペースには、ポップアップ用のスペースもあり、現在はサステナブル素材のレイングッズを展開するU-DAY(ユーデイ)の新商品や限定品が展示されています。 「選択肢を知らないと何も選びようがないじゃないですか。だから、選択肢を知ってもらう場所というのはすごく意識しました。契約は3か月ごとなので、来るたびに新しいブランドと出会える場所にもなっています。
継続してくださるブランドにはお客様の反応などをフィードバックして、お客様同様、出店者の皆さんとも、ただモノをやり取りするだけではない交流を重ねて、より良い売り場を一緒に作っていきたいと思っています。」
人が憩いステージにもなる「みんなの小上がり」
フロアの中で、ひときわ温かい雰囲気を醸し出しているのが、「みんなの小上がり」スペースです。昔懐かしいちゃぶ台が置かれ、ちょっと休憩したり、ここで1階のパフェを食べることもできます。
(橋さん)「駄菓子を買った子どもたちが小上がりで食べたり、遊んでいる風景はとてもいいなと思って、近くの棚には京都の和紙を使った紙風船や簡単なカードゲームなど遊ぶ体験につながる雑貨を置いています。」
(中川原さん)「みなさん楽しそうに利用してくれるので嬉しいです。スタッフがお子さんに遊び方の説明をして、その間に大人が買い物をしているのを見て、私たちがやりたかった形ができているなと感じています。」
さらに、ここをステージにしたイベントも進行中とのこと。プロジェクターも設置されているので、出店者のプロモーションにも使えるようになっています。
(中川原さん)「6月は落語会を開催しました。電気などがなかった時代の暮らしを落語を通して感じてもらって、リサイクルやアップサイクルなどを楽しみながらで学んでもらえたと思います。」
食べること、買い物すること、サービスを利用すること。どこを取ってもサステナブルな消費に繋がることを実現した「みんな商店」。
皆さんもぜひお立ち寄りください!
≪施設概要≫
みんな商店
住所:東京都世田谷区北沢2-9-2 ARISTO 下北沢 1F・2F
(小田急線・京王井の頭線「下北沢駅」より徒歩2分)
営業時間:1F 12:00~18:00 2F 12:00~19:00
定休日:不定休