10月以降、ニュースで目にしない日はないパレスチナの情勢。報道される状況を見て、「何かしたいけれど何もできない」と、感じている人も少なくないのではないでしょうか。
今回は、そんなパレスチナの一般家庭に学生時代ホームステイをした経験を持ち、2020年に”素敵に国境はない”をビジョンに掲げてソーシャルブランドとして「架け箸」を設立した、代表の髙橋さんにパレスチナの商品の魅力、現地の文化や人々の生活について語っていただきました。
商品は現在、全国17カ所の雑貨店、インテリアショップ、フェアトレードショップ、カフェ等で取り扱われ、エシカルを軸にするオンラインショップ等でも販売されています。
当面は仕入れの目途が立たないため、在庫商品のみの取り扱いとなります。
”この場所が本当に平和になったら、きっと世界中から魅力に惹かれて人が集まってくる”
そんな、魅力いっぱいのパレスチナのアイテムを店頭に広げてみませんか?
(髙橋さんのインスタグラムにアップされた#停戦をもとめるすいかバトン。スイカはパレスチナの特産品で、赤、黒、白、緑のパレスチナ旗と同じ色。)
オリーブの木製品
パレスチナは一帯がオリーブの原産地で、オリーブ製品はパレスチナの特産品のひとつ。古くから、日本の米農家のように家族単位でオリーブ農家が営まれています。
毎年秋にオリーブの収穫があり、その際に剪定された枝や幹は木材業者に渡り、様々な工芸品・日用品に生まれ変わります。その際に出る小さな材を利用して、”架け箸”の商品は作られています。
架け箸の生産拠点は西岸地区にあり、現地のフェアトレード団体を通じて地元の工房に依頼しています。職人さんは専門の方もいれば、観光業を自営されている方もいて、そういった方達にとってはコロナ禍で観光客が激減した際は、木工の仕事が大事な収入源となりました。
オリーブ加工は、代々受け継がれる地域の伝統であり誇り。「伝統を継承するうえで、新しいことに挑戦したい」と、職人さんが使ったことのない”オリーブの花咲くお箸”を作ってくれました。現地では、昔はカトラリーを使う習慣がなく、今でもパンをちぎってカトラリーのように使って食事をする人もいます。
木目・形は一点もの。お箸やカトラリーにはアラビア文字で「あははは」など、現地のことばをあしらっています。オリーブの木はカビに強く雑菌が繁殖しにくい素材なので、少しずつ手入れをしながら長く使うことができます。
今のところ作っている方々への直接的な被害は起きていませんが、商品の輸出はおろか、職人さんが仕事場に行くことすら難しく、事務所も一時は閉鎖。状況が悪化するなかで、気丈にも仕事が再開され、少しずつ生産が続けられています。
観光業に従事する人が多い地域でこれからまさに観光シーズンでしたが、外国人退避という状況になり、収入面も先行きが読めない状況です。
普段の事務所は工房の人達が出入りし、仕事の会話が飛び交い、工房はオリーブの木の香りの中で商品がひとつまたひとつと生み出されていく賑やかな場所。
そこから遠い日本に届く、オリーブの力強い木目の商品たちをぜひ手に取ってみてください。
最近はギフトとしてボールペンが人気です。少量ですが箱もあるので必要な際は備考欄に記入してください。(箱代実費を請求させていただきます。)
本当ならこの時期はクリスマスオーナメントが定番ですが、今年は入荷しなかったので来年はぜひお見せできることを願っています。
パレスチナの刺繡・織物
歴史の深いパレスチナ刺繍や、民族衣装など日常で使われてきた織物を使った小物は主に現地に住む女性起業家、アイシャさんに一からデザインしてもらい作っています。
ある日インスタグラムに流れてきたアイシャさんの作品を見て、アップサイクルを取り入れた伝統の織物の、絶妙なバランス感覚や色彩に惚れたのがきっかけでした。占領下で自分のビジネスを、しかも女性一人でするのは胆力のいることです。
デザインはあまりパレスチナ感の強い派手なものではなく、柔らかな色味で日本での暮らしに馴染みやすいものをお願いしています。
アイシャさんがデザインし、布と色味を選び、製品モデルに合わせて裁断。裁断したものは刺繍や縫製のために、作業をする女性達に送ります。
長く占領下にあるパレスチナでは、男性も女性も無形の財産を持つことが何よりと考えられているので教育熱心な家庭が多い一方で、就職できなければ自分で生活の糧を見つける必要があります。そのため手仕事に長けた人が多く、作業する人の中には難民キャンプに住む女性もいます。
出来上がったら、商品の品質と仕上げ部分をアイシャさんがチェックします。0からのものづくりにこだわり、仕上がりに妥協することがないので一度で納品される数が少なく、1年で約50点ほどしか入荷しない貴重なアイテムです。
商品の入荷について
小ロットの生産なので、年に数回まとめて国内のニーズに合わせて発注しています。とはいえ、恒常的な占領下での活動制限から、はたまた文化的な考え方の違いから納品が遅れることは日常茶飯事。「国内で製造できればどれほど楽か」と、何度思ったか分かりませんが、それでは意味がないのでこちらが上手くタイミングを合わせて、バイヤーさんのニーズにも応えながら仕入れる方法を常に模索しています。
現在は入荷がストップしているので、在庫切れの商品は当面入ってきませんが、スムーズに進めば来年1月に全体的な入荷が叶いそうです。また、動物型のプレートやパスタフォークなどの新商品の製作も進んでいます。商品を待ってくれている人がいることは現地にとっての励みになりますので、長くお付き合いしていただけるバイヤーさんとの出会いを願っています。
パレスチナの手仕事から生まれた商品はいかがでしたか?
パレスチナは田舎のほうに行くと日本人はおろか外国人がほとんどいないので、一人で歩いていると様々な声をかけられるそうです。地図が読めずに迷子になっているのを助けて送ってもらったり、待ち合わせしているとコーヒーをご馳走してくれたり、遠い日本からようこそと花屋さんでお花をプレゼントしてくれたり。大らかでサービス精神旺盛な人々の笑顔が浮かびます。
パレスチナの平和を願い「いつか訪れてみたいな」と思えるアイテムをぜひお迎えください。