生産地での後継者不足や、生産環境の変化により絶滅の危機に瀕するお茶を「絶滅危惧茶」と呼んでいます。
そんな絶滅危惧茶から「釜炒り番茶」「バタバタ茶」「石鎚黒茶」の3種の飲食店様向けアルミ簡易パックをご用意しました。
産地や製造方法によって異なる芳醇な風味をお楽しみ頂けます。
釜炒り番茶:和歌山県
バタバタ茶:富山県
石鎚黒茶:愛媛県
絶滅危惧種は、その種がなぜ今危機に晒されているのかを知ることで、私たちの行動を変容するきっかけを教えてくれます。
同じように、絶滅危惧茶を通して、日本の農業における社会課題を学び、解決に向けて共に考えることができるのではないでしょうか。
古くから伝わる日本茶は、守るべき生態系「里地里山」の保全にも深く繋がっています。また、伝統文化の保存にも大きく貢献してきました。
急須のない家庭も増えている現代において、本当の日本茶の味、魅力、文化をぜひより多くの方に知って頂きたいと考えています。
本商品は、飲食店様向けの卸販売専用商品になります。
茶葉を簡易アルミパックに入れてのお届けとなります。
<お届けまでの日数について>
生産状況によってはお日にちをいただく場合がございます。
ご希望日がございます場合は事前にお問い合わせください。
【釜炒り番茶】
●生産地
和歌山県 熊野
●特徴
はじめにすもものような酸味のある香りにともなって、スモーキーな香りがほのかに感じられる。
口に含むと、青梅にも似た渋味と落ち着いた甘みが感じられ、鼻に抜ける香りは清々しい。伝統的な茶粥でも、食事とのペアリングでも愉しめる。
●歴史、詳細
奥熊野、本宮の山間部に古くから伝わる、 伝統的な製法でつくられるお茶。一番茶、二番茶の生葉を釜で炒ってから丁寧に揉んで天日に干したのち、茶畑の中にある小さな作業場で、釜で炒って仕上げます。このため、茶葉は揉んで針状に仕上げる煎茶に対し、丸みを帯びた勾玉状。
新芽を加熱して酵素を不活性化させ、揉んで仕上げる手法は、現在主流の煎茶の原型とされます。
●おすすめの淹れ方
急須に茶葉3gを入れ、90℃の湯90ccを注ぐ。60秒経ってから最後の一滴まで湯呑みに注ぎ切る。
※二煎目、三煎目は90℃の湯90ccを注ぎ、30秒経ってから湯呑みに注ぐ
(水出し)
茶葉5gに冷水500ccを注ぎ、冷蔵庫など10℃以下の環境で8時間以上おく(お好みにあわせ、茶葉の量は調整してください)
【バタバタ茶】
●生産地
富山県 朝日町蛭谷
●特徴
はじめに焦げ木の芳ばしさや、カカオを思わせる苦味と甘みのある香りにともなって、田舎家にいるような懐かしい香りが立ち上る。
口に含むと、微かな酸味と水羊羹のような透明感のある甘み。
木の実やべっこう飴のようなニュアンスを伴う、心地よい渋味が余韻を締めくくる。
心安らぐやさしい味わい。
●歴史、詳細
摘んだ茶葉を蒸し上げたのち、麹カビによって乳酸発酵させた黒茶の一種。茶碗に入れたお茶を、若いすす竹を2本合わせた夫婦茶筅で、音を立てながら泡立てるところからバタバタ茶と呼ばれるようになりました。抗酸化性を示すポリフェノールも確認されています。
茶葉の製造や、茶筅の制作の担い手も少なくなってきているため、朝日町商工会により「バタバタ茶伝承館」運営され、 古くからの伝統が守られています。
●おすすめの淹れ方
茶葉(5g程度)を適量の水(300cc程度)で煮出して頂きます。
煮出したお茶はそのまま飲んでもおいしく頂けますが、茶筅などでバタバタと泡立てて飲むとよりまろやかに、冷やして飲むとよりさっぱりとお愉しみいただけます。
お好みに応じて茶葉や水の量を調整してください。
【石鎚黒茶 】
●生産地
愛媛県 西条市
●特徴
最初はカシスのようなシャープな酸味に、リンゴ酢のような甘みのある酸味が続く。
口に含むと、シナモンのようなスパイシーな香りや、トマトやグレープフルーツを思わせる甘酸っぱい香りが鼻に抜ける。
ヨーグルトのようなまろやかな酸味と旨味がやさしく締めくくる。穏やかな酸味が好みなら、水出しがおすすめ。
●歴史、詳細
日本国内に4つしかない貴重な後発酵茶の中でも、さらに珍しい二段発酵茶。
糸状菌により好気発酵させた後、乳酸菌により嫌気発酵を行うことによって製造される。石鎚山の麓で空海が伝えたとされる製法を伝承し、今も全ての工程を手作業で行っています。
絶滅危惧からの復活で 「幻の茶」と称され、今では石鎚黒茶の製造技術が無形民俗文化財に指定されています。
●おすすめの淹れ方
宝瓶に茶葉2gを入れ、90℃の湯90ccを注ぐ。90秒経ってから最後の一滴まで湯呑みに注ぎ切る。
二煎目、三煎目も一煎目と同様に淹れる。
(水出し)
茶葉5gに冷水500ccを注ぎ、冷蔵庫など10℃以下の環境で8時間以上おく。お好みにあわせ、茶葉の量は調整してください