生まれ育った神戸の街からカレーの魅力を発信したい
僕は大の音楽好きで、高校時代からバンドの練習に明け暮れていました。バンド仲間と食べるために、一口電気コンロで作ったカレーが「マンドリル」のスタートです。
もともと音楽の道に進もうと思っていましたが、20歳の時にアメリカ・ニューオリンズのフェスを見に行った時に「音楽を仕事にするのは違うな」と思ったんです。それより、ニューオリンズのように「食」で地元神戸の街を活気づけたいと思い、バンドの先輩に相談すると「カレー屋やったらいいんちゃう?」と言われて、軽い気持ちで“自称”カレー屋を始めました。最初はワンルームのキッチンで作ったカレーを自転車で配達する、まさに自転車操業でした。作ったカレーが冷めてしまったり、神戸の大丸前で配達中のカレーをひっくり返したりと、苦労の連続でした。
そんな中で徐々に常連さんも増え「もっと美味しいカレーを作りたい」という想いが強くなり、カレーの研究に熱中しました。スパイスと具材のシンプルな組み合わせから様々な味が生まれること、スープやペーストの要素も加わるとその可能性が無限大に広がることなど、カレーの深い魅力に気づき、カレー沼にどっぷりハマりました。
そして2009年、インドのブッダガヤで入ったレストランのカレーの味に惚れ込み、働かせて欲しいとその場で直談判。スパイスの使い方など、本場のカレーの基本を教えてもらいました。
カレー作りを始めて3年の2012年、25歳の時に神戸元町で店舗をオープンしました。
現在、オープンして11年になるマンドリルの店舗は、神戸と大阪に4店舗を展開し「神戸といえばマンドリルカレー」と言われるほど、多くのお客様が訪ねて下さるまでになりました。