ジュエリーとファッションの境界線を越えた提案をしたい
長年アパレル企業で働き、自分自身は服ばかり買ってる人間でした。
ジュエリーは完全に小物類扱い。
ファッションを好きで追い求めてる人の多くは「こんな自分でありたい」「自分は今こういうことを考えている」など、自分の有り様を身体を通して、表現する一部と捉えている方が大多数だと思ってます。
もちろん他人の好感を得たいだとか、タトゥーのように自分自身にかける暗示の目的など用途は様々です。
ただ、ファッション=服はどこまでいっても機能性がまとわりつく。
機能性を無視したアイテムがあるといっても身体に身に着ける制約からはなかなか抜け出せません。(重力があるので)
そんなある日、私は衝撃を受けました。
たまたま通りかかったショップで、見たこともない金属の装飾品を目にしました。
服、服、服となっていた私には、その小さな立体が放つ存在感が忘れられずそこから虜になり、ブランドを立ち上げました。
よくよく考えてみれば、Silverの素材を使用していようと人によっては金属アレルギーになります。よく言われるサージカルステンレスはアレルギー反応がでにくいといっても人によっては反応が出ます。
ジュエリーには服のように雨風から防いだり、防寒したりする機能は一切ありません。
アレルギー反応がでる食品は食べないが、アレルギー反応が出てもジュエリーは身に着ける。
そこに究極の面白さと究極の不安定さが存在しています。
ファッション雑誌等を見ていても服は服、ジュエリーはジュエリーのページと完全なカテゴライズが行われていますが、私はそうじゃないと思う。
服とジュエリー、大きく言えば装飾品全般が共鳴しあってこそがファッションです。
金属アレルギーになってまで身に着けたい人間の愛おしさに敬意を払い、身に着ける方を新たな思考・境地にお連れしたい。