カレーを「食」だけでなく「カルチャー」として捉えて発信したい。
ある時、先輩に連れて行ってもらった、とあるカレー屋さん。そこは常に大行列で、入店すると店員さんに「初めてですか?」「初めてなら天国を見るか地獄を見るか…」て言われるんです。めちゃくちゃ辛いんですよ。店内ではお客さんが黙々とテーブルに向かっていて、スプーンのカチャカチャとした音と辛さに悶える「ヒーッ」という音だけが響いていました。
そのカレー屋では最初は辛すぎて食べれなかったんですが、無性にまた行きたくなって。毎週のように通い始めるようになりました。中毒ですね。カレーってすごいな。と感動しました。
そこで、「いつかカレー屋を始めたい」と思うようになり、独立に向け動き始めました。
店を始める前にオリジナルのカレーを作るために1ヶ月インドを旅しました。ムンバイやチェンナイ、北インドなど巡っていろいろなカレーを食べました。一番美味しかった北インドの市場の中にあるレストランに頼み込んで、毎朝仕込みや作り方、本場のインドカレーの作り方を学びました。
しかし当時はまだ自分のレシピも持っていなかったので、さらに「修行しなければ」ということで、大阪のスパイスカレー店「旧ヤム邸」に入ることにしました。
「旧ヤム邸」の日替わりは「同じメニューを出さない」というルールがあり、来る日も来る日も新メニューを開発していました。初めてのことだったので正直きつかったですが、「自分で店をやるぞ」っていう気持ちがあったからこそ、その生活も続けることができました。
2019年8月に「創作カレー MANOS」をオープンしました。
現在オープンして5年目のMANOSは、ありがたいことに毎日開店前からお客様が訪ねてくださり、テレビやラジオ、雑誌にも多く取り上げていただけるようになりました。