財布や名刺入れなど、どうせ使う道具なら愛着が湧くものが良い。ということでドゥラムではほとんどの商品に革を使っています。革製品は使っていると引っ掻いたりしてキズが入ります。必ず入ります。最初は結構ショックです。ブラシをかけてキズが消えたり、消えなかったり。そのうち、キズのことを忘れたり。ブラシをかけることでも表面の状態が変わっていきます。もはや後戻りはできません。そんな小さな変化の積み重ねによって、買った時と全然違う風合いに変わっていきます。使う人によって変わり方も千差万別。ガシガシ使ってワイルドな感じになったり、大切に育てられて渋い風合いになったり。ちょっと大げさですが、持ち主の人となりを反映するのかもしれません。子供や孫も然り、自分に似たものってかわいいもんです。使う方にとって愛着がわく道具に育つように一つ一つ手作りしています。
数年使ったベルトポーチと新品のもの。並べてみると違いが良くわかります。
6年ほど使ったベルトポーチ。腰につけているので地面で擦ったりして傷だらけですが、そんなところも含めて気に入っています。
●革の個体差について
植物性タンニン鞣しはナイロンや合皮のように均一な質感ではなく牛皮そのもののキズやトラと言われる色の濃淡など、牛の個性が現れます。革の状態によって商品に使える・使えないということが出てきてしまうのですが、すべての商品に完全に均一な所を使うとなると、どうしても高額になってしまいます。革自体のワイルドな風合いの良さを感じてもらいたいという思い、おもいっきり使ってもらいたいという思いがあり、長年培った職人のセンスで商品に使う箇所を選別しております。幸いながら今の所、革の質感については、ご満足のお声を頂くことがほとんどです。
牛革の個性として受け止めていただけると幸いです。
牛の背中のあたりに現れる「トラ」という模様
生前の牛のキズ