航海を終えたヨットセイルを再生。雇用も創出するサスティナブルなものづくり
私たちリセイルファクトリーでは不要になったセイルを使うことにこだわっていますが、最初のうちは材料となるセイルを手に入れるのに苦労しました。
セーリングを終えたヨットの帆は、市場に出てくることはありません。ヨット仲間から声がかかると自分で受け取りに行き、コミニュケーションを図りながら譲ってもらうということを10年以上続けています。
譲っていただいたセイルは、特殊なハサミを使用し金具や端をカットして解体します。セイルの大きさによっては5分割、大きいものは10分割ぐらいに分けて、無駄の無いように、セイルナンバーなどの文字や柄が活かせるように考えて切っています。切った素材をアトリエで洗い、潮出し、漂白、陰干してから縫っています。新品のセイルに比べるとかなりの手間がかかりますが、その風合いが味になります。
アップサイクルセイルは全ての部分が使えるわけではないので、袋に入れてリサイクルセンターに持ち込み焼却処分となりますが、廃棄部分は元々のセイルの30分の1くらいになります。昨今、サスティナブルな事業が注目され、アップサイクルが一般的に知られるようになり、日本国内外から不要になったセイルを使ってとご連絡いただくようになりました。
製品は湘南に住む多くの人たちの力を合わせて作っています。裁縫に関して裁縫が得意な湘南の仲間が立ち上げ当初から協力とアドバイスをくれて、一部工程は、湘南にある障がい者事業所やシルバー人材のおばあさま達にお手伝いいただいています。
アップサイクルセイルの魅力を多くの方々に伝えるため、定期的にワークショップも開催しています。ヨットの帆を再利用したものを実際に見て、触れて、作ってみることで、海への関心を持っていただけたら嬉しいです。