スリランカ料理アルッガマゲは、初代夫妻のファミリーネームである「アルッガマゲ」が店名の由来です。ブランドの創業期を語る上で切り離せないのが、アルッガマゲ夫妻の出会いと歩みのエピソードです。
スリランカ人のD.W.アルッガマゲと日本人の幸子は、1988年に出会いました。幸子が生まれ育った長野では、当時はまだ国際結婚が珍しかった時代です。外国人との結婚は認められないという両親の反対を背に、「肌の色は違えど身体を流れる血の色は同じです」という言葉を残し、誰も知らぬ土地へ駆け落ちする道を選びました。ただ、心の底では、尊敬する両親に2人で歩む人生をいつか認めてもらいたいという強い思いを持ち続けていた2人は、互いの個性や素質を活かし合える商いを模索します。そこで選んだのがスリランカ料理店です。魅力あふれるスリランカを多くの人に知ってもらうため、国の文化や習慣などが凝縮した「食」を通した発信をしようと決意しました。
新天地で2人が選んだのは、東大阪の住宅街にある小さなテナントです。カウンターに並ぶのはたった10席でしたが、エスニック料理ブームの先駆けとして話題を呼び、連日行列の絶えない活気ある料理店へと成長しました。
オープン2年目の年、ゼロから築き上げたお店を見てもらうべく幸子の両親を東大阪に招きました。幸子の父は、昔から厳格で口数の少ない性格です。しかし、2人の血と汗が滲む努力を目の当たりにして、この時ばかりは喜びの笑顔を見せ、「式を挙げて地元に店を移したらどうだ」と応援の言葉を口にしたのでした。
こうして両親の心強い後援を受け、2人は2000年に幸子の地元である南信州・宮田村にお店を移転オープンしました。
長野に拠点を移し、2代目に代替わりしてからも、「自身の心と身体の状態を知り、“いま必要な食”を楽しむ体験」を提供し続けています。