廃材生まれのおしゃれなエコアイテムで フィリピンの地元経済を支えたい
10年前にフィリピンを訪れ、偶然地元の女性たちが地域創生のためにアルミ素材のリサイクル利用に関わっていることを知りました。地域のNGO団体によって、収集したリサイクル素材を利用した製品で地域住民の生計を立てる運動が進められ、各地で広まったこの運動は貧困地域での雇用を生み、地元の学校運営をサポートできるようになっていました。
たまたまご縁があり、あるNGOの工房を見学させてもらいました。そこでは、飲み終えたジュースなどのアルミパックを収集・洗浄し、その素材を使ってバッグやサンダルなどを作っていました。キラキラ輝くアルミリボンが山のように積まれ、それを一本一本手作業で編み上げる女性たちの姿と、彼女たちが作るバッグの美しさに衝撃を受けました。まさに「一目惚れ」でした。
その頃、私はシンガポールで生活していたのですが、雨と湿気が多い東南アジアでは、革製品やビニール素材はすぐにカビが生えてしまい、布製品は激しいスコールに合うと濡れてしまうため、バッグ選びには苦労しました。思いがけず出会ったアルミは、私にとってまさに理想のバッグ素材でした。早速シンガポールに持ち帰り使っていると、周りの友人たちにも好評で、あっという間に口コミで広がり、カフェやレストラン、ホテルなどでポップアップショップを開催するに至りました。
フィリピンで多くのNGOが作っている定番バッグよりもおしゃれで使い勝手のよいものを作りたい、他には真似できないような付加価値をつけた継続可能なブランドを一緒に育てていきたい、という思いが芽生え、日本の大手百貨店でバイイングコーディネーターとして働いていた経験を活かし、バッグのデザインを提案するようになりました。
フィリピンの女性達によって一つ一つ手作りで作られている