『フェアトレード商品だから購入してもらえる・・・ではない商品作りを』
かつて日本でも誤った知識や理解で、ハンセン病の患者さんや患者さんの家族は苦しくつらい思いをたくさんしてきました。インドでも同様です。TeebomのパートナーグループのMESHでは、ハンセン病の患者さんが治療を受けながら暮らすコロニー(療養所)に、織物、染色、縫製などのワークショップを設け、障がいがあっても作業ができるように織機などの道具を工夫して、生産活動を行っています。
ただ、日本で販売するには、品質が安定しておらず、品質改善するために多くの時間を費やしてきました。そこには、障がいがあるのだから・・・フェアトレードなんだからという甘えがあるように私は感じました。出来上がって日本に届いたバッグを送り返して作り直してもらうなど厳しい対応もしてきました。
障がいがあっても妥協せずにいい商品を作らないと!と、根気強くコミュニケーションをとりながら、何度もサンプルをやり取りしながら、10年かけてやっと形になってきました。
そこには、私のカウンターパートとして一生懸命サポートをしてくれているインド側のスタッフSyamalaの存在が欠かせません。根気よく、職人たちに指示をして、時には列車で丸1日以上かかる職人たちのワークショップまで出かけていき、直接指導をしてくれています。
ベサニーテープやカラムカリ(ウッドブロックプリント)という伝統的な技術により手作り出される商品はとてもユニークで魅力的です。彼らが治療を受けながら、仕事を続け、社会的にも経済的にも自立できる仕組み作りに貢献できることが、私にとって活動を続ける魅力の1つです。