特に難しいことを考えたわけではありません。
「素敵な大人」が「もっと素敵」であるために、
私ができる「何か」を探している、という事でしょうか。
麦わら帽子を縫うブレード職人が高齢化で技術の継承が危ぶまれる中、
素晴らしい技術を持った匠の元で修行する事になりました。
私の帽子職人としての始まりです。
デザインの着想や発想から始まって、
縫いはもちろん、型入れ、糊入れ、トリミングに至るまで、全ての工程を自分一人で行えること、
ここに私の強みがあると思っています。
それでも大事なところに、必ず沢山の素敵な出会いやコラボがあります。
ごくわずかでも琴線に触れる何か、を常に見逃さないように心がけています。
小田原の耕作放棄地で育てた藍を収穫しその場で染めた生葉染の麦ブレードはやわらかで優しい色の帽子に仕立て上がりました。
剪定の際廃棄されるお茶の葉や枝で染めた麻は、毎回微妙に色を変え、銀色の帽子を生み出してくれました。
沢山の試行錯誤の末、たくさんの失敗とほんの少しの成功を頼りに日々帽子を作り続けています。
「素敵な大人」が「もっと素敵」であることを願って。