粘土の魅力は実際にその素材に触れて形を作っていけること、そして手を動かしたままに形作られていくことです。だからこそ難しさがあるのですが、そこが作りがいのある所です。
ただ可愛い、のではなく、しっかり技術があって、上手に丁寧に作られたものを目指しています。動物のフォルムは粘土ならぬるっと誤魔化して作ることもできてしまいますが、しっかり骨格や体の作りを理解して成形します。そうすることで、とぼけた表情にして完成させても、置物として飾った時にしっかり存在感のある作品になってくれるのです。
粘土は成形後に乾燥し焼成します。
その後一つづつ着色します。動物によっては何度も色を重ね毛並みやもようなどを表現します。そしてコーティング剤を添付しもう一度焼成しています。
また、動物に纏わせる草花は全て手染めし、コテを当てて表情を出します。ここで既製のアートフラワーを使ってしまえば楽ですが、どうしても粘土の表情にしっくり合わないのです。
時間がかかっても草花は布で一から制作します。花の種類によって、綿、シルク、ビロード、など生地の種類も変えています。
手染めでは、染色粉を調合し色を作っています。一匙で色合いは変わってしまうので、同じ色をもう一度作ることは難しいのですが、それもまた楽しさです。また、あえて滲んだ色合いにすることもあります。色と色との混ざり合いでできる深い色、優しい色を見ていただきたいです。
手間暇かけた仕事が好きですし、そこが私の作品のこだわりです。